6月のある週末にコネチカット州ニューカナンにある故フィリップ・ジョンソン邸、グラス・ハウスを訪ねた。グラス・ハウスは外から中が丸見えのガラス・ケースのような家でこんなところに住むこととが出来たジョンソンはなんというナルシスト?と思っていたが聞くとここはこの敷地内にいくつもあるビルのひとつでゲストハウスとしてつかわれていたという。このグラス・ハウスの向かいには一対のようにレンガの箱のような建物があり、こちらにジョンソンが住んでいたそうだ。ゲストをショーケースのようなグラスハウスに寝泊りさせて自分は向かいの密閉されたような家でその様子をうかがうなんてジョンソンならではのジョークだ。広大な敷地の中には、書斎、絵画館、彫刻館などが散在している。その間を移動する道すがら小川を渡る木の橋がある。渡ってみると結構揺れる。実はこの橋、ジョンソンが設計する際にわざと大きく揺れるようにつくったのだという。本当はもっと揺れる橋をつくりたかったのだが、顧問のエンジニアにそれ以上はキケンだから駄目と許可がおりなったそうだ。田舎の古橋を恐々渡る時のワクワクするスリルをジョンソンはこの橋に求めたのだろう。そんな少年のいたずら心がこのジョンソン邸のいたるところに仕組まれている。ちょっとキケンだからこそ楽しい、でも根底には安全の保障がある。こういう遊び心をジョンソンは、”SAFE DANGER"といってこよなく愛した。
絵画館の中。巨大なローラデックスのような展示装置には秘蔵の現代名画がぎっしり詰まっている。
彫刻館。ガラス張りの温室のフレームの日光の影を映して刻々と変わるパターンを作り出す。
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