Wednesday, March 30, 2011

今月のお気に入り(3/2011)

RED&WHITE QUILTS 650枚の赤白キルト展

American Folk Art Museum 主催のアート展、INFINITE VARIETY : Three Centuries of Red and White Quilt が3/25~30の6日間、Park Avenue Armonyで行われました。今日が最終日と気づいてあわてて駆けつけてみたのですが、これがとてもよかった~。この展示はNYソーシャライツのJoanna Semel Roseさんが、「80歳の誕生祝に何が欲しい?」というご主人の問いに「私が長年かけて集めた、赤と白のキルトの展覧会を無料でNYの人たちに見てもらいたいの」と答えたことから企画が始まったそう。何とスバラシイ!Joannaさんの1000枚を超えるコレクションの中から、選ばれた650枚のキルトたちが、55,000スクエアフットの展示場に並んだ様子はまさに壮観!興味深いのは、これらは有名な作家によるものではなく、どれも普通のアメリカ家庭の女性たちが自分の家族のために一針づつ丁寧に作り上げたものだということ。赤と白というシンプルな配色だけに、それぞれのデザイン・アイディアが際立ちます。18~20世紀の300年にわたって愛されてきたこれらのキルトは19世紀末に一番流行したそうです。Joannaさんがコレクションをはじめたのは1950年代。そのころはフリーマーケットで一枚$5~10程度で売られていて、中には売り物の家具を梱包するのに使われたりしていたものもあったそうです。そして今また赤と白のキルトのよさが再発見されています。私はもともと赤が大好きなのでいくつもお気に入りを見つけました。その中からいくつかをご紹介しますね。


広い展示会場の天井までずらりと並んだ650枚の赤と白のキルトたち。 通常ベッドカバー大のものが多いキルトのなかで、ベビーベッド用の可愛いキルトを発見。昔アメリカの家庭では、女の子たちはお裁縫を覚えるのにキルトを縫ったそうです。これはこれから生まれる妹か弟のために作ったキルトかもしれませんね。



物資のない時代、小麦粉の袋をつなぎ合わせてキルトを作るのが女性達の間で流行った時期があるそうです。これはそれらの一つ。一つ一つのモチーフにはそれぞれ小麦粉袋のデザインを赤い糸で刺繍してあります。袋の色によってすこしずつトーンが違うのもご愛嬌です。これ欲しいな~。


一見、何の変哲もないキルトのようですが、実は細かい手刺繍が施された凝ったキルトです。1900頃、寄付金集めのために作られたキルトで、10セントづつ寄付をした人たちの名前が刺繍されています。出来上がったキルトはオークションにかけられ、更に寄付金を集めたということ。ふと「千人針」という言葉が浮かんできました。心づくしの手仕事が人のために役立てられたのですね。

鳩や手のひらなど愛と平和のシンボルを集めたモダンなデザインのキルトも素敵でした。