Saturday, November 29, 2008

Beginning to realize...

これがいい、と思える心。



私がNYでヘルスクラブ(所謂ジム)に通い始めたのは、10年以上前のことだ。
こちらに長く住む知り合いには、それまでもゲストとして招待されたりして、その良さについては実感はしていたものの、実際に会員になって果たして長続きするものかと、始める前からいらぬ心配をしてなかなか決心がつかなかった。そんな私の背中をズイっと押してくれたのは、ある知人にいわれた「背中に肉がついて丸くなってる」という一言。別に意地悪で言われたわけではなく、ちょっと運動でもすれば引き締まってよくなる。という程度の軽いサジェスチョンだったとおもう。
それでもすぐにクラブ会員となって、トレーナーについてのマシントレーニングなどを始めたが、これがあまり面白くない。かといってエアロビクスやステップのクラスも要領を得るまでに時間がかかりそうだ。面白そうだが、かなり体力的に厳しそうでついていけそうもない、と思ってみていたのがボクシングのクラスだった。それでも女の子も結構いて滝のような汗をかきながらも嬉々としてパンチを繰り出している様子。これなら私もできるかもと意を決して(今思えば可笑しいが)クラスに向かった。
最初の何ヶ月かは、楽しいながらも、かなり悲惨な状態だったように思う。ヘルスクラブでのボクシング・クラスというのは、リングで試合をするボクシングではなく、ボクシングのトレーニング・メソッドを応用したワークアウトだ。走り、跳び、あらゆる筋肉を鍛えるための運動が盛り込まれている。はじめのうちは、一寸走ったたけで、土踏まずが攣ってしまって痛い。体力も筋力もついていないので、すぐにへたばる。ミットやヘビーバッグを打っても、パス~と情けない音しか出ない。そんな私を諦めずに叱咤激励(主に叱咤だったかも)してくれたのが、女性インストラクターだった。彼女はエリートとしての本職をもちながら、空手は黒帯、のちに新人ボクサーの登竜門として知られるゴールデン・グローブのチャンピョン・シップまで獲得している。このクラスでは他にもすばらしい同年代のアメリカ人女性たちと知り合い、友達となった。10年以上たった今、なかなか会うこともないが、家庭や子供の世話に追われながらもキャリアを極めているようだ。今でもボクシングを続けているのは、私くらいからもしれない。もう少しくらいきついトレーニングにも音を上げることはなく、難なくついていける。マラソンやトライアスロンを走り抜けたのも、ボクシングで基礎体力をつけたおかげと思う。そして、関係ないようだが、声楽においても、養った腹筋力や集中力、そして持久力が役立っていることは確かだ。
現在、ジム通いはだいたい週に3回。ボクシングは1回にして、一寸体がきついなと思ったときはヨガ、筋肉を伸ばしたいときには水泳、気分転換にはエアロビクスやスピニングなどもいい。何より運動してサウナに入り、家路につくときの気持ちよさといったら、何物にもかえがたい。仕事とプライベートとのワンクッションにもなる。

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